CIK Custom Shop仕様についてその②
当店で取り扱うギターについてですが、まず新品やアウトレットなど殆んど使用していないギターの場合は、最低でもアコーステックギターの場合は、12フレット6弦で3.0mm以下、1弦で2.5mm以下、エレアコは6弦で2.5mm以下、1弦で2.0mm以下、エレキギターの場合は、6弦で2.0mm以下1弦で1.5mm以下に、調整して、そしてネックはビビリや音詰まりが起きない様に、真っ直ぐでやや順反りに調整して出荷致します。
また中古ギターの場合は、まずは手垢やホコリをボディ全てクリーニング致します。
特に指板(フィンガーボード)はとても汚れていますので、次のユーザーに気持ち良く弾いて貰う為に、念入りに汚れを取り、乾かしてからオレンジオイルやレモンオイル等を指板に染み込ませメンテをします。そしてフレットが腐食している場合は、フレット磨きをして、金属保護剤を塗布します。
また、古いギターは必ずと言って良い程ペグと取付ナットや取付ビスがが緩んでます。中にはビスが、バカになって閉まり切らないものもあります。そんな時は下の画像のように木製ボンドを使って楊枝などを差し込んで修理してやればバッチリです。
まあ中には使っている内に緩んでくるのもありますが、ほとんどは木や乾いて痩せてきて緩んだように感じるんですが・・・100%緩んでます。。。
そして、そのまま使い続けると必ず壊れます。
ですから、ペグは最低でも増し締めをします。また必要に応じて脱着分解給油をし、トルク調整もします。
以上がメンテナンス基本点検調整です。
これからが、CIKカスタムショップ仕様のお話です。
CIK Custom Shop は、簡単に言うと弾き易いギターと言ってましたが、口で言うのは簡単ですが。。。
今度は、CIK Custom Shop C についてお話しますと、CIK Custom Shop AやBでお話したようにこの作業で鳴りが良く成るしローコードが弾き圧倒的に易く成るのが殆どです。
しかし、5フレット以上にハイコードになるとサドルorブリッジを下げてやる必要が有ります。
ところがどっこい、ただ単に弦高をブリッジで下げてやってもビビリは出るは、チョーキングで音詰りはするはで、使い物にならないギターになる訳なんですね。。。
まず、ネックの調整が問題なんです。ネックを真っ直ぐにすれば弦高が究極的に下がられると思ったら大きな間違いです。
究極的に弦高を下げて弾き易くするには、エレキギターの場合は真っ直ぐで僅か微妙に順反り状態が良く、アコースティックギターの場合はそれよりももう少しやや順反りにしてやれば、弦高を低くしてもビビリや音詰まりは出ません。
しかし、そこでまたそこで問題が・・・フレット打ちしてある指板ですが、高さが均等の成っていないんですね。。。
7・8フレットでビビるとか10フレットと13フレットが音が消えていくとかいう問題にぶち当たります。
これは、元々フレットの打ちムラもありますが、中古の場合ネックの木が長年にわたり乾いてきて微妙に捻じれたり波打ったりしているのが殆どです。
上の画像で判る様に、左から一番目のフレット画像上部は、全体的に少し削れてその次は殆ど削れて無くてドライバーの先にある3番目のフレットが大きく削れ、そして4番目が少し削れ、5番6番目のフレットは全く削れていなく、真ん中が少し削れている程度で、7番目がまた全体に削れている。
こんな状態なんですね。。。
この僅か0.1mm~0.2mm程度の誤差なんですが、この状態のフレットをきちっと均等にしてからでないと、究極的に弦高が低い弾き易いギターにはならない訳なんですね。。。
ここでもまた、ただフレットを削れば良いと言うものではありません。
弦を張って、テンションを掛けた時にどこで反るのか?を考えて作業を進めないと良い物にはならないんですね。。。
釣りをする人なら解ると思いますが、釣り竿のようにギターのネックは先調子と胴調子と元調子が有る様に、同じギターでもその材質いかんで大いに変わります。
そして、フレット摺合せをする時には、当然弦を全て外してやらなければならず、テンションから解放されたネックは、中には逆反りの状態になるのも多くあります。
ですから、予め弦を張ってテンションを掛けたベストの状態を頭に叩き込んで、トラスロッドでなるべくその状態に近づけたネックを保って摺合せが必要なんですね。。。
特にこのCIK Custom Shop Cの作業、フレット摺合せ作業はシビアで大変時間が掛かり大変なんですね。。。
ヤマハ/YAMAHA FG-180 赤ラベル CIKカスタムショップC仕様 85,000円
ヤマハ国産ギター生産第一号の、言わずと知れた名器FG-180です。
画像を見たら一瞬、新品か?と思うほど綺麗でしょう?
およそ6ヶ月位も掛けて綺麗に仕上げました。
まあ半世紀50年もの月日が経ったギターはまともな物は、無いのが当然ですが、致命的な木の割れやバインディングの剥がれも無くまあまあの状態でしたが、入庫時結構小さな傷や打痕が複数有って、まあこれでもまだ程度の良い方かな?と思って弦を張り替えて、早速弾いてみましたら、爆鳴り!
そして、僕の気に入っているマーチンのD-28、1983年モデルとや、バックサイドを同じマホガニー材を使って有る2002年ギブソンJ-45、ハードメープルのギブソンのDovuなどと引き比べて見ました。
ご存知の方も多いとは思いますが、マーチンにはAJネックとSQネックがあり1985年からAJネック(アジャスタブルロッド)が採用されています。
それ以前のSQネックタイプ、これが人気があるんですね。。。もっと前のTバーだったら1,000万円で取引されるものもあるとか・・・
AJネックはギブソンが採用したんですが、マーチンは頑固に採用せずにネックは曲がったら調整して下さい!なんて恥ずかしいギターは作らない!
マーチンは、ネックは反ったりしません!と言うのがポリシーだったんですが、1973年のワシントン条約が採択され1975年から効力が生じ、1980年代になるとさすがに良質な材料が手に入らず、とうとうマーチンも1985年からAJネックになってしまいました。
その1985年以前製造で人気の爆鳴りのマーチンD-28と良い勝負するんですね。。。これにはホント驚きました。
そしてFG-180はオール合板ですよ?信じられない。。。中には合板ギターはビンテージとは言わない。とか言っている人もいますが、ビンテージに該当するかしないかはどうでも良い話しで、僕はむしろ逆にオール単板のお高いギターに、良くもオール合板で勝負かけて、勝るとも劣らないギターを良く作るなあ・・・ヤマハさんは偉い!と思います。
生産から50年経った今でも海外の多くのアーティストも赤ラベルは認めていて、あの”ゆず”も愛用していて、ヤマハさんに同じFG-180見たいのをを作ってくれとお願いしてTheFGを作って貰ったくらいのFG-180なのは、判る気がします。
特に赤ラベルの中でも110、140、150、180、220、230、280、350、500、550と有りますが、この180がダントツ人気です。
ただ爆鳴りするだけでは無くて、重低音から澄み切った高音域まで1弦1弦がそれぞれに音の粒がしっかりしていて、決して殺し合わない、そしてアタックが良く音のレスポンスも良い。マーチンやギブソンが30円以上するならこのFG-180の同じくらいしてもおかしくない、どちらが上か下かでは無くて同じ爆鳴りでも、それぞれ個性が違う。ヤマハにしか出ない音ですよね。。。
そして、何と言っても赤ラベル全般に言える事ですが、ボディ鳴りは半端では無いですね。。。弾いていてお腹にガンガン伝わってくるのには参ります。このギターは一生モノだな?って事で、ネック反りとトップ浮き修正、傷は塗装をすれば簡単に綺麗にはなりますが塗装が厚くなると、アコースティックギターは特にボディ鳴りに大きな影響を及ぼしかねないので、大変時間が掛かり面倒なのですが、小さな打痕や傷を1つ1つ埋めて数か月かけて仕上げました。
そして、CIK Costom Shop Aのナット調整、CIK Costom Shop Bのナットチューニング、CIK Costom Shop Cのフレット摺合せでフルカスタム仕様です。
そして、ナットもサドルも良質の牛骨が取付てありますし、画像でもお判りのように、サドル高3.0mm位のまだまだ充分調整できるようにトップ浮き修正もしてありますので、末永く使用出来ると思います。
そして、爆鳴りで綺麗になったFG-180赤ラベルさんにふさわしい、金色のバックルが付いてカッコイイ新しいハードケースに入れてやりました。。。
付属品:ハードケース(新品)
購入希望の方は、こちら
CIK Custom Shop 仕様についてその①
今日は、CIK Custom Shop仕様とは何か?についてお話しします。
CIKカスタムショップ仕様は、まあ一言で言えば、単純に弾き易いギターって事です。
特に初心者の方や若い人や女性は、指先の皮が薄いので血豆が出来たり、指が痛くて練習出来なくなったりします。
ちょっとトラスロッドを調整してやるだけで、とても弾き易く成ったり・・・
特にアコースティックギターはローコードが多いので「ナット」(⇩画像ネックの弦を載せている白い牛骨や合成樹脂製で出来たもの)の弦の乗っている溝を削り高さを下げてやったりするだけで、劇的に弾き易く成ります。それを紹介させていただきます。
まずは、CIK Custom Shop仕様(A)
ここで気を付けなければ、いけないのはただ弦溝を削って弦高を低くするだけでは逆に鳴りが悪くなってしまいます。本当です!
最初はナット溝の高さを決めてから、画像のようにナットからペグの巻き取り水平線よりペグ方向には段々と深くRの形に削り込んでやります。これが大切です。
何故かと言いますと、ナット幅5.0mm位全体で弦を支えますと弦の振動が殺されてしまうからです。ですから、5.0mm位あるナットのフレット側のせいぜい1.0mm程度で後の残りのナット幅4.0mmは浮いている状態にしなくてはいけません。。。
これがCIKカスタムショップ仕様の第一弾です。
リペア料金は、ネック調整(トラスロッド調整含む)1,500円+ナット溝研磨調整3,000円で、計4,500円で出来ます。
そして、特に初心者の場合は少し細目のスーパーライトゲージやエクストラライトゲージを張ってやればテンションも弱いので、更に弾き易くAmやC、Dmなどのローコードは、指を添えるだけで簡単に抑えられます。また良く初心者が挫折するFやBなどのハイコード(バレーコード)も弦のビビり音も無く簡単に抑えられます。
これで、ドンドン練習して指の筋肉がついたら、テンションが高くヘビーゲージやミディアムゲージの弾きにくい弦高が高いギターでも弾けるようになる訳なんですね。。。
初心者だけでは無く、押さえにくいが爆鳴りするヘビーゲージや、ミディアムゲージを使うプロでもミスミートが少なく成りますので、皆さん少なからず施工されています。
次に、CIK Custom Shop仕様(B)第2弾、サスティーン向上施工
また、サスティーン向上や弦鳴りを良くするために埋もれている弦を手で触れる位に削ってやるとかなり向上します。
韓国中国製には特に多いんですが、ナットの弦溝が深く埋もれて溝にキッチリはまり込んでいるのがあります。これは弦の振動を殺してしまいます。深くても溝が大きければまだ影響が少ないんですが、やはり上記の弦溝R加工とWで施工するとたとえ合成樹脂のナットであったとしても、相当弦鳴りやサスティーンが良く成ります。。。
この施工のみは1,500円です。
覧のように、ナットの溝に乗っかった弦が指で触れる位にすれば完璧です。
2・3日前にも富山市の方でギブソンのJ-50をご自分でサドルとナットを交換加工されたんですが、1弦2弦が特に変な音が出るし全般的に鳴りが悪いと持ち込まれ、ナットの取付方法にかなり問題は有りまして、本来はナットの取替やネック反り、トップ浮きサドル加工も必要でしたが、今現在も修理預かりが3本あって、待って貰っている方も一人いらっしゃるので、取りあえず何んとか応急処置的に直らないか挑戦してみました。取り付けたものは仕方がないし、この状態のまま取りあえず、CIK Custom Shop仕様(A)を施工して見ましたら、「わあ~全然鳴りが違う!」「へ~!・・・たったこれだけで変わるんですね~?」と感動してお帰りになりました。
もし私の説明で判らない事が有れば、いつでもご質問下さい。メール又はブログにてお答えいたしますよ~。(‘◇’)ゞ
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